「もう一冊、もう一冊」を卒業してしまう前に
この記事のキーワード:子育て、育児書、中川李枝子、3歳、絵本、読み聞かせ
パワフルな3歳児に振りまわされている日々のなか、こんな本を読みました。
『子どもはみんな問題児。』
ぐりとぐらシリーズの作者、中川李枝子さんが保育士として子どもたちと過ごした経験をもとに書かれた育児書です。
シンプルな言葉で短く簡潔に書かれていて、育児のかたわらでもすぐに読めてしまう本です。
絵本について書かれているところが印象的だったので少し紹介します。
「本を読んでもらうときの子どもの表情は、素直で、無邪気で、かわいいに尽きます。」p.103
ほんとうにそう。3歳の息子は前よりずっと気難しくなって、ふくれたりぐずったりしてばかりなのだけれど、絵本を読んでいるときの顔は素直に嬉しそうでかわいい。
「良い本と出会うのは幸せなことです。生まれてどんな本に出会うかで、人間の運、不運というものはかなり左右されるのではないかと思います。」p.114
これもそうだな、と思います。自分のこれまでの人生を振り返ってみても、良い本に出会って視野が広がったり、人への想像力が豊かになった部分が確かにあったし、なにより良い本は良い思い出になっている。
子どもにも読書の喜びを知って、良い本に出会ってほしいと思います。そのスタート地点で親ができることはできだけしておいてあげたい。
「『もう一冊、もう一冊』には、そのうち必ず卒業の日がやってきます。子どもといっしょに物語や絵本を楽しむ、私にとってこれ以上幸せなことはない、至福のときでした。」p.125
実はこの頃、息子が寝る前に「もう一冊」、「もう一回」とそれはもうしつこくせがむので、早く寝かせたいと焦るわたしはイライラしてしまって、「もうおしまいって約束したでしょう。早く寝なさい!」と叱ってしまうこともありました。
でも、中川李枝子さんの言うとおり、これは今だけの、ほんの短い間わたしに与えられた幸せな時間なんだな。
寝るのがちょっとくらい遅くなったっていいじゃない、読んでほしいとせがまれるうちはいくらでも読んであげようじゃないの、という気持ちになりました。
最後に、最近親子で楽しく読んでいる絵本TOP3です。
林明子さんの絵本は、子どもと読むとこんなにおもしろかったのかと再発見させられます。この2冊の他にも、うちには林明子さんの絵本がいっぱい。どれも子どものお気に入りです。
息子がスリルを味わって楽しんでいるのがこの古典ともいえる絵本。トロルのことが怖いけど好き、好きだけど怖いのだそう。わたしも三匹のやぎの声を変えたり、トロルの声を低い声で読んだりと工夫してみています。